さまざまな発想
30分戦略
カードカウンターの中には、カジノに最大のダメージを与えようとする「コマンドー」のような哲学を推奨する者もいる。
彼らは、カードカウンターをまるでアーノルド・シュワルツネッガーのように考え、30分程度プレイしたらすぐにカジノを出るという前提で動く。
つまり、彼らはベットスプレッドを極端に大きく広げるつもりでいる。
当然、時間が経てばカジノもこのやり方に気づくだろうが、運が良ければ、そうなったときにはもうすでに彼らはカジノを後にしている。
当然ながら、カジノが数か所しかない街でこの手法はご法度である。
プレイできる店がすぐになくなってしまうからである。
スティーミング(沸騰)
「スティーミング」(沸騰)という手法もある。
スティーミングとは、ベットの歯止めが利かなくなるぐらい怒り狂ってテンションが上がっているフリをすることである。
カウント値が非常に高い場合に、自然に大きなベットへ移行しやすくするのだ。
怒りやイラつきのあまり、コントロールが徐々に崩れていく感じを演出し、それに合わせてベットもどんどん増加させていく。
カウント値が高いときに、$100をベットして負けたとしよう。
汚い言葉を小さくブツブツと呟き、ポケットから$200を取り出す。
だが、その一部をベットするのではなく、取り返すぞ、という感じで全額をテーブルの上に叩きつける。
それも負けたが、同時にカウントがさらに上昇した。
いかにも頭に血が上っているかのように振る舞い、手を震わせ、ポケットからまたシワシワの札束を取り出す。
一体何枚あるんだろう! 誰が見ても分からない。
しかし、なんとそれを無造作にテーブルに叩きつけて、「全部で」と言う。
これで目標は達成した。
結果はともかく、「スティーミング」を使うことによって、アドバンテージのある状況で積極的にベットを上げることに成功したのだ。
スティーミングは特にシャッフル直前の、シューの最後のほうで効果的に実施されることが多い。
熱くなっている様子がピットボスに伝わると、彼がディーラーに「もう1回配れ」と指示することがある。
これは、シャッフルの約2分の間に、客の賭け金の天井を見失うほどの「熱」が冷めてしまうことを避けたいからである。
ようやくシャッフルが来ると、一般的には、スティーミングを使うカウンターはテーブルから離れるしかない。
さっきまであったアドバンテージがなくなるからである。
チップ戦略
ブラックジャックの書籍では、ディーラーの間で通称「トーク」と呼ばれるディーラーへのチップに関する話題はほとんど出てこない。
たしかに計算上は、ディーラーにあげるチップの期待値は100%マイナスである。
つまり、チップとしてあげたお金は絶対に返ってこない。
したがって、大抵のカードカウンターにとってディーラーチップは論外となる。
しかし、表面的な計算を剥がすと、必ずしもチップをあげることはマイナスではないと言える。
場合によっては、チップをあげることが期待値への貢献になることもあるのだ。
遠くから遊びに来ている観光客を装うなら、芝居の一部としてディーラーチップを導入するのもひとつの手である。
チップをあげることによって、ピットボスからヒートを受けずに、伸び伸びとプレイできる時間が増えるかもしれない。
デッキペネトレーションがより深くなるようにチップをあげるプレイヤーもいる。
しかし我々の見解では、シューゲームにおいて、そのためのチップをあげてもさほど効果はない。
チップをあげることでディーラーが望み通りに動いてくれたとしても、つまりシューのより深いところにカットカードを入れてくれたとしても、それで得られる期待値はおそらくチップの分をカバーできないだろう。
ハンドヘルドのシングルデッキゲームでは、ディーラーがカットカードを全く使用しないことも珍しくない。
ディーラーは、手の中に残っているカード量の感覚でもう1ゲームを配るかどうか判断する。
貴重なディーラーチップはたまにしかあげられないが、この状況ならそのチップが有利なペネトレーションに繋がることもあるだろう。
さらに、アップカードがAか10の場合に、ディーラーがダウンカードを物理的に覗いてチェックするゲームでは、ディーラーへのチップで情報をもらえる可能性がある。
もしディーラーがあなたを応援してくれていたら、ところどころで巧妙に援護してくれる可能性がある。
例えば、ディーラーが覗き穴から自分のスティップハンドを確認した場合に、あなたがスティップハンドでヒットするかを迷っていたら、素早く次のプレイヤーに進もうとしてくれる。
なぜそんなことをするのか?
ディーラーからすれば、あなたにたくさん勝ってもらったほうが、より多くのチップを得られるかもしれないからだ。
間もなくシャッフルが来てしまうタイミングで、カウント値が非常にオイシイ場合に、チップをあげることによってディーラーがもう一度だけ配ってくれることがたまにある。
アーノルド・スナイダーはこのようなチップを「ピンポイントトーク」と呼ぶが、これは慎重に扱わなければいけない武器である。
K-Oランニングカウントが+4(つまりピボットポイント=約2%のアドバンテージ)でも、$50ハンドのときに$5のチップをあげれば、それは10%のコストという計算になる。
つまり、その1ハンド全体での期待値は大きくマイナスになってしまうのだ。(チップのあげすぎに注意)
さらに、ここで重要な注意点だ。
ディーラーとグルになってプレイするのは絶対に禁物である。
我々はいかなるイカサマも推奨しない。
我々は、ディーラーチップは必ずしもお金の無駄遣いではない、という意見を述べているにすぎないのである。
それも当然のことだ。
ディーラーだって人間なのだから。
カバープレイ
カムフラージュのための「カバープレイ」も興味深い発想である。
カバープレイはわざと間違えるベット、もしくはわざと間違えるプレイのことを指す。
例えば、ゲーム中にランニングカウントが+4になったとしよう。
普段ならもちろん、ここはビッグベットをしたいところだ。
しかし、ピットボスがテーブルにぴったり張りついていて、どうもこちらを意識している気配がある。
ここでビッグベットをしてしまったら、これが最後のハンドになってしまうかもしれない。
こういった場合には、最低ベットが適切かもしれない。
もしピットボスも一緒にカウンティングしていれば、ここでカバープレイをすることで、彼の疑惑の裏をかくことができるからだ。
シャッフルした直後に、ビッグベットを賭けるのもよく使われるカバープレイである。
シューの始めから急にビッグベットを置かれたら、ピットのスタッフは、たとえカウント値を把握していなくても、そんなやり方でアドバンテージが取れるはずがないと考える。
したがって、カードカウンターが最初からビッグベットをすると、まるでカウントを全く気にしていないかのように見せかけることができるのだ。
ハンドのプレイに関係するカバープレイもある。
ごくたまに、そしてなるべく小さなベットのときに、わざと間違ったプレイをするのも効果的かもしれない。
このカバープレイは、自分のプレイがいま現在分析されている可能性があるときにだけ実施したほうがいい。
そして、分析されている最中であっても、頻繁にプレイすべきではない。
間違った全てのプレイにはコストがかかるからだ。
大抵の場合は、自分のプレイ計画に従って動かなければならない。
正しい戦略からの逸脱は金銭的なロスになる。
カバープレイを乱発するプレイヤーは、必ずと言っていいほど成功しない。
そんな人は、直ちにプレイ方針を見直さなければいけない。
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