コラム:イタチごっこの逆転
カードカウンティングの世界では、イタチごっこがさまざまな形で見てとれる。
アトランティックシティーでカジノ側の人間がカードカウンティング学校に潜入するという話はまさにそのひとつである。
世界最大のカジノ、フォックスウッズのカジノマネージャーは現在リッチ・テスラーである。
これはリッチがカジノフロアマンだったころの話である。
リッチはボブというカジノの同僚と2人で、新しく開発されたブラックジャックシステムの様子を偵察するために、カードカウンティング学校に送り込まれた。
1人$400する4週間の講座は、2週間ずつの前・後半制で、前半は授業、後半は近辺のカジノでの実習となっていた。
ボブはド派手な服で登場し、彼に少し遅れてリッチがワイシャツにカーキ色のズボン姿で現れた。2人の支払いは受領された。
そのうち受講生がそれぞれの自己紹介をする時間になった。
ボブは、最近ブラックジャックにいろいろと追い風の動きが見られるバハマでプレイする
のを好むプロのブラックジャックプレイヤーだと打ち明けた。
ほぼ最後の自己紹介になったが、リッチはこう言った。
「私は大工で、週一回はアトランティックシティーに出る。カードカウンターではないが、やられっぱなしはもううんざりでね」
少し時間が経ってから、ボブはバックルームに連れて行かれた。
そこで、$400が返金され、学校から追い出された。
なぜ正体がバレたのか?
バハマのブラックジャックを好むと言ったからだ。
バハマのブラックジャックはルールがあまりにも不利で、プロならそんなゲームに挑戦するはずがなかった。
モグリがバレたところで講師が警戒し、彼の妻に聞いてみた。
「ほかにも新入生は居るのか?」
「あと1人だけ、リッチっていう人。だけど彼は白だよ」という返事だった。
なぜ妻はそんなに自信があったのだろうか?
妻は、リッチが支払いに使った現金が濡れていたことに気づいていた。
そう、リッチはあらかじめ現金を濡らしておいたのだ。「一日中外で仕事をする人なら、ポケットに入っている現金が濡れるはずだ」と思ったからである。
彼の用心が功を奏し、無事に講座を受けることができたのだった。
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