悪いカウントを回避する

悪いカウントを回避できるバックカウントについては、すでに言及した。

ほかにも悪いカウントを避けるための手法が存在するので見てみよう。

2デッキゲームをプレイしていて、すでに1デッキ分のカードが外に出ているとしよう。

平均的には、標準ランニングカウントはこの時点で0辺りになっているはずだ。

仮にそれが-6だとすれば、期待値は明らかにマイナスである。

シャッフルになるまで数回のハンドをプレイするよりも、チップを全部持ってほかのテーブルを探すべきかもしれない。

もしくは、都合よくトイレ休憩を取るのもいいだろう。

タイミングがうまく合えば、テーブルから立って脚を少し伸ばし、トイレに行ってきても、次の新しいデッキから再びプレイすることが可能だ。

この作戦が成功すれば、ちょうどマイナス期待値の数ハンドを回避することができる。

K-Oカウントに「撤退作戦」を導入することも可能だ。

ここで用いる「撤退条件」は、「撤退カウント」と「撤退ポイント」という2つの数値からなる。

撤退ポイントの瞬間に、RCが撤退カウント以下になっていれば、直ちにテーブルから撤退する。

この上級テクニックは主にマルチデッキゲームで有効である。

では、具体的に説明しよう。

標準カウントにおけるK-O IRCは、6デッキの場合-20、8デッキの場合には-28である。

そして、その撤退条件は以下である。

次の表を使用する。

まず、ゲームのデッキ数(6か8デッキ)が書いてある列を見る。

次に、一番左側の撤退ポイントをチェックする。

見ての通り、6デッキの場合、1デッキ経過のところで、ランニングカウント-22以下なら撤退してもよい。

さらに6デッキテーブルを前提に、シューの1/4が出た(1.5デッキが使用された)時点でRCが急に-24に落ち込めば、ゲームから退場するのが好ましい。

同様に8デッキゲームでは3デッキがすぎたところでRC-22以下なら、プレイを中断してもよいことになる。

無論、撤退を実行するためには、使用されたデッキの数を大まかに推測する必要がある。

ただ、それほど正確でなくても、±20%以内の誤差なら問題ない。

K-O「ファブファイブ」の6デッキのカスタムカウントに、撤退作戦を導入させてみよう。

まず、IRCが +17ずれていることを思い出そう。

このことから、撤退カウントも同じ +17調整する必要がある。

そうすると、6デッキゲームの条件は以下のようになる。

「ファブファイブ」のテーマに相応しく、ここでも数字は全て5の倍数になっている。

しっかり撤退条件に従って撤退していると、1ハンド当たりの収益をほぼ倍にできる。

これは驚くほどのことでもない。

なぜなら、不利な条件下での勝負を避けているからである。

より高い期待値とより大きな平均ベットを組み合わせれば、顕著な収益率の増加に繋がる。

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