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破産確率

 

「カードカウンターなら負けることはないだろう」と考えがちだが、真実は少し違う。

 

 

腕のあるカードカウンターでも、短期スパン(数日、数週間、長いときは1~2カ月)では、勝つことが保障されているわけではない。

 

 

実際、カードカウンターが大きく負けることも起こり得るのである。

 

 

確実に言えることは、一時的に負けていたとしても、十分な時間と十分なバンクロールさえあれば、最終的には「ツキ」が正常化し、結果がプラスに転換するということだ。

 

 

長くプレイすればするほど、結果は数学的に保障される状態に近くなる。

 

 

しかし、ここで考察するのは長期スパンとは全く異なる、短期スパンについての話である。

 

 

例えば、2デッキゲームにおいてスプレッド1~5でプレイしているとしよう(とりあえず、バンクロールの総額は無視する)。

 

 

K-Oスマートマトリクスのトップ16のプレイを使用するものとする。

 

 

そして、ここがポイントとなるが、このゲームはバンクロールが倍になるか0になるまでプレイを続ける。

 

 

バンクロールが倍になれば成功である。

 

 

当然ながら、バンクロールの総額が大きければ大きいほど、成功する確率は上がる。

 

 

その効果が示されている下の図を参考にして考察してみよう。

 

 

開始時バンクロールが増加するにつれて、破産確率は大幅に下がるのが分かる。

 

 

比較のために、開始時バンクロールが25ユニットのところを見てみよう(スプレッド1~5ユニット)。

 

 

この場合、成功確率は53%前後となる。

 

 

つまり、$25を持って2デッキのテーブルに座り、スプレッド$1~$5のスマートシステムでプレイすると(もしくは開始時バンクロールが$500の場合のスプレッド$25~$100なども同様)、47%の確率でバンクロールが倍になる前に破産してしまうのだ。

 

 

一方、100ユニットでスタートすれば、失敗に終わる確率は36%にまで下がる。

 

 

さらに、1,000ユニットでスタートすれば、その破産確率は著しく下がり、たった0.5%になるのだ(1,500ユニットなら破産確率はほぼ0%となる)。

 

 

図8は、バンクロールを2倍にするために必要とされる平均ハンド数を示す。

 

 

例えば、25ユニットでスタートすれば、バンクロールを倍にするためには、平均100ハンドが必要とされる(成功した場合のみ計算に入れられる)。

 

 

バンクロールが大きくなると、必要とされる平均ハンド数は急激に多くなる。

 

 

100ユニットでスタートするとほぼ1,400のハンドが必要とされ、500ユニットの場合には21,000以上のハンド数が必要となる。

 

 

先ほど説明した1,000ユニットの開始時バンクロールに話を戻そう。

 

 

成功してバンクロールを倍にできる確率は99.5%であったが、一体どれぐらいの時間がかかるのか?

 

 

図8を見ると、平均でおよそ45,000のハンドが必要とされる。

 

 

毎時100ハンドという速いスピードでも、450時間のプレイが必要となるのだ。

 

 

あなたは、それほどの時間と忍耐力を持て余しているだろうか?

 

 

答えがノーなら、目標を再設定すべきだろう。

 

 

リスク許容度を上げる代わりに、必要とされる忍耐力を下げることができる。

 

 

つまり、短時間で成功するためには、リスクを背負わなければならないのだ。

 

 

丁度いいバランスとは何か?

 

 

これはあなた次第である。

 

 

例を通して考えてみよう。

 

 

$5,000をバンクロールとして、スプレッド$5~$25(1~5ユニット)でプレイするとしよう。

 

 

バンクロールの$5,000は1,000ユニットだから、破産せずにバンクロールが倍になる確率は99.5%である。

 

 

ただし、プレイには450時間もかかってしまう。

 

 

では、代わりに$10~$250のスプレッドにすると、どうなるだろうか?

 

 

この場合には、開始時バンクロールの$5,000は500ユニットとなる。

 

 

バンクロールを倍にできる確率は95%に下がってしまうが、必要とされる時間は平均210時間にまで短縮できる

 

 

 

もっと我慢ができないとしよう。スプレッドを$25~$125にまで上げると、開始時バンクロールは200ユニットになる。

 

 

倍になる確率は75%まで下がってしまうが、倍になるために必要とされる平均の時間はたったの45時間となる。

 

 

リスクを上げると時間が短縮するというトレードオフの関係は明らかである。

 

 

図7と図8を見れば、トレードオフの関係についてその詳細が分かる。

 

 

ベットスプレッドに対して、開始時バンクロールが大きければ大きいほど勝ち続ける確率は高くなる。

 

 

しかし、リスクを取らなければ、目標を達成するまでに時間がかかることになるのだ。

 

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