カジノがカウンティング対策をとった結果・・・
ソープ教授がカードカウンティングを発表したことで、カジノ側が戦々恐々とし、すぐにプレイヤーに厳しい条件を新たに加えていきました。
ただ、「The World's Greatest Blackjack Book」※の中でランス・ハンブルとカール・クーパーが記しているように、この状況は長くは続かなかった。
※. Lance Humble & Carl Cooper (The World's Greatest Blackjack Book]1980.
Doubleday.
「この不利なルールが、多くのプレイヤーのブラックジャック離れを引き起こし、結果的にカジノのブラックジャックによる集金力が激減したのである」
集客できなくては話にならないので、カジノ側はすぐさま白旗を上げ、ルールを元に戻した。
その日からカジノは緊迫した数日を送ったが、結局は安堵することになる。
なぜなら、多くの人がブラックジャックに勝てるという自信を持っているにも関わらず、実際に勝てる人はごくわずかだということに気づいたからである。
ハンブルとクーパーはこう言っている。
「カジノはすぐに気づいたんだ。怖がることなんかない、と。逆に、ソープ教授の本が宣伝となり、その恩恵を受けているのだと」。
恩恵とはどのようなものなのか?
「客はいままで通りのペースで負け続けるが、その客の絶対数がそれまでを大きく上回っていたのだ」
ブラックジャックの人気は、今日に至っても衰えるところを知らない。
多くの人はプレイしようとするゲームに、勝つ「可能性」がある、というだけで満足してしまい、間違ったプレイをしても自分だけには勝利の女神がほほ笑んでくれると信じている。
しかし、これは大きな勘違いである。
勝つ「可能性」のあるゲームをただプレイするだけでは不十分で、当然そこには適切なプレイが伴わなければならない。
これは、大学の中間テストでAを目指しているのに、十分な準備もせず、テストに出席するだけでいいと思っているのとさほど変わらない。
カールソンの考えによれば、その技術を身につけるために必要な努力や試練、そして我慢は、「ブラックジャックプレイヤーが好むものではなかった。彼らは昔ながらの古くて無知な戦略のままでプレイし続けることを選んだ」のである。
ハンブルとクーパーによれば、ソープ教授の本を購入した人のほとんどが、カードカウンティングを覚えるまでに至らなかったという。
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