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収益性の高いベットの仕方:ケリーシステム

カード・カウンティングは、基本的にはカウントが高い時に多くベットして、低い時に少なくベットすることによって収益を得るというものですが、それぞれのカウントのときにいくらだけベットすれば最も効率がよく収益性も高くなるのでしょうか。

 

 

この問いに答えるのが「ケリーシステム」と呼ばれている理論です。

 

 

ケリーシステムとは、ギャンブル一般における最も収益性の高いベット金額を見つけ出す理論で、カード・カウンティングの父、ソルプ博士によって最初にブラックジャックに応用されたものです。

 

 

この理論によれば、その時々の最も効率のいいベットは元手に期待収益率をかけた金額だと言うのです。

 

 

  • 最適なベット=(プレーヤーの期待収益率) ×(元手の金額)

 

 

この理論は常識とも合致します。

 

 

必ず勝つという状況だったとしましょう(これではギャンブルとは言えませんが)。

 

 

当然あなたは賭けることのできるお金をすべて賭けることでしょう。

 

 

また、期待収益率が0かマイナスの場合には一銭も賭けたくないでしょう。

 

 

問題はその中間の場合です。

 

 

仮に期待収益率が5%だったとします(つまり勝つ確率が52.5%ということです)。

 

 

この場合、負ける確率が7.5%もあるわけですから元手の大部分を賭けてしまうにはあまりに危険ですが、かと言って少なく賭けすぎるのは安全思考過ぎて、せっかくの有利な状況をフルに活用したとは言えないでしょう。

 

 

そこで問題はこの両方のバランス点をどう見つけるかということです。

 

 

ケリー理論はこれに「最適なベット金額は元手の5%」という回答を示してくれるのです。

 

 

ケリーシステムに従ってベットしていれば他のどんなベット方法よりも長い目で見て高い収益性が得られます。

 

 

しかも、適度な安全性もあります。

 

 

したがって、ケリーシステムは我々のブラックジャックプレーにおけるベットの仕方の一つの理想を提示してくれるのです。

 

 

 

なお、このケリーシステムについてもっと詳しく知りたい方は

  • The Mathematics of Gambling、Edward Thorp著(1984)

をご覧になって下さい。

 

英語版で高いですが。。。

 

 

 

それでは、カード・カウンターが実戦でケリーシステムを利用する方法を考えてみましょう。

 

 

まず当然のことながら、ケリーシステムを使うにはその時々のカウントの場合の期待収益率が分からないといけません。

 

 

その計算方法は次の通りです。

 

 

カウント時の期待収益率の計算方法
  • 期待収益率≒(ベーシックストラテジーの期待収益率)+(その時のトルーカウント)×0.5%

 

 ベーシックストラテジーの期待収益率の計算についてはこちらをご覧になって下さい

 

 

具体例を見てみましょう。

 

 

ラスベガスにおける一般的なベーシックストラテジーでの期待収益率は

  • シックスデックゲーム -0.38%
  • ダブルデックゲーム -0.20%
  • シングルデックゲーム -0.21%

です(ラスベガスではシングルデックゲームではほとんどがソフト17をヒットするため、好条件のダブルデックゲームと同じ程度の期待収益率にってしまいます)。

 

 

それでは、元手が100円で、トルーカウントがプラス6までのときのそれぞれの場合のケリー・システムに基づく理想的なベット金額を見てみましょう。

 

 

下表をご覧下さい。

 

残念なことに、上表のようなベットの仕方を実際のカジノで行えば、まず間違いなく15分もしない内に追い出されてしまいます。

 

 

カード・カウンターであることがあまりに露骨に現れてしまうからです。

 

 

何がいけないかというと、まずカウントがゼロ以下のときにベットを置かないで、カウントがプラスになったらゲームに再び参加するなどという都合のいいことはカジノではできません。

 

 

また、最も小さなベットと最大のペットとの比が20倍以上というのもあまりに大き過ぎます。

 

 

このようなベットの仕方はカード・カウンターの特徴としてカジノ側にも、良く知られているのです。

 

 

そこで、前表を実際のカジノで使えるように修正する必要があります。

 

 

まず、カウントがゼロ以下の時にもベットを置く必要があります。

 

 

そして、この最低ベットと最大ベットとの比を

  • シックスデックで8倍
  • ダブルデックで4倍
  • シングルデックで2倍

までに抑える必要があります(これはラスベガスの場合であり、他の地域のカジノではこれ以上の格差を付けても問題ない場合もあります)。

 

 

これをもとに前表を修正したのが下表です。

 

 

最初の表とはかなり違ってしまいましたが、実際にカジノで使えなければどんなにすばらしく効率のいいベット方法であっても意味がありません。

 

 

上表のベットの仕方でも十分な収益率を期待できます。

 

 

なお、上表では掛け金はすべて倍々式に上がっていきますが、これはカード・カウンターではない一般のプレーヤーのベット方法を真似た一つのカモフラージュです。

 

 

また、たとえカウントが急上昇したとしてもベットの上昇は最大でも2倍にとどめて下さい

 

 

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